チタンが骨とくっついて離れない4

骨膜を利用する技術は、アドバンスというインプラント治療に生かされています。インプラントを埋入できないケースにも、骨を再生することで適応させるというのがアドバンスの技術で、ブローネマルク博士は、はからずも骨を再生する最先端のインプラント治療の基礎研究を行っていたことになります、

また、骨膜下の骨の上にT字型の金属のプレートを埋め込むと、この金属のプレートと同じ型のT字型の骨を作ることができることも実験しています。実はこの作用を世界最初の、人間に対するインプラント治療の際に使っています。

現在はこの技術を使って、耳小骨を作っています。これは耳の中にある小さな骨で、これが機能していないと聴覚障害を起こします。患者さんの中耳に耳小骨を作って移植すると、聴覚が戻るという治療も行われるようになっています。

本来は歯科治療の専門ではなかったブローネマルク博士が行った実験と研究の数々が、口腔インプラントの基礎を作り発展させていったのは興味深いことです。