インプラントの世界第一号は犬だった3

ブローネマルク博士は犬に様々な形のインプラント体を埋入して、その効果を確認していきました。その上に、白い歯や金色の歯といった素材の違う歯を取り付けても歯茎に炎症は起こりません。もちろんインプラントが抜けることもなく、硬い餌もしっかり噛んで食べます。

ブローネマルク博士は、インプラントを挿入すると歯槽膿漏になるのではないかと考え、犬の歯を磨かせないままに観察しました。

以前のインプラントでは、歯槽膿漏と同じように骨が吸収してしまっていたので、それが起こるのではないかと心配したのです。

インプラント埋入の犬が歯を磨くのは1年に2回、上部の歯を外すときだけです。取り外した歯は磨けばきれいになり、歯肉は歯槽膿漏にはなっていませんでした。骨の吸収は起こらなかったのです。

1960年から65年にかけて行われたこの犬の実験によって、チタンのインプラントは歯槽膿漏にもならず、しっかり硬いものも噛めるまでに骨に密着するということが証明され、大成功でした。