インプラントに向く患者・向かない患者2

歩かなくなり、電気信号による刺激が大腿骨に伝わらなくなると、リモデリングのレベルが下がってくるので、骨が弱くなります。使わなければ筋肉も弱くなり、ついには歩けなくなります。
インプラントを埋入する場合は、歯の骨がしっかりとあることが理想です。骨が全部しっかり残っていて、しかも歯がまったくないという人は、インプラント治療がしやすいです。その際、歯以外はどこにもトラブルがなく健康であるというのも条件になります。
しかしそういう、歯科医にとって都合のいい患者は、それほど多くありません。
すでに、骨の吸収が始まっていたり、高血圧、糖尿病といった生活習慣病だったりと様々な条件を持ちながら治療をするというのが大半です。
また、骨の質によっても条件が違ってきます。
骨は表面の硬い皮質骨と、真ん中の柔らかい海綿骨からできています。海綿骨があまりにも柔らかすぎることで、骨粗鬆症のようになっているケースもあります。あるいは、表面の硬い皮質骨が非常に薄くなっているという場合もあります。これらの場合、骨にインプラント体を埋入しても初期固定が難しく、オッセオ・インテグレーションが獲得できないこともあります。