上顎の骨がない場合のサイナスリフト法2

上顎の骨は下顎に比べて軟らかくて薄く骨が少ないので、サイナスを元の位置まで引き上げてそこに骨を作り、骨の厚みを確保するという治療がサイナスリフトです。サイナスは上顎粘膜で骨と接触しているので、最初にこれを剥がし、引っ張り上げます。

これによってできた空間に、患者の下顎や腰から一部切除した骨を砕いたものを充填したり、あるいは骨補填剤を混ぜたり、骨補填剤のみを充填して骨を作ります。そこをメンブレンで多い、移植した骨や骨補填剤によって骨ができるのを待ちます。

この他にサイナスリフトは挙上して、そこに膜を取りつけて作り出された空隙を維持することによって、何も充填しないで骨を作る方法もあります。

骨ができるのを待ってインプラント体を埋入する方法と、移植と同時に埋入する方法があります。インプラント体が、サイナスとの間に空間を作る傘の骨のような働きをすることで、そこを骨で満たすという考え方で開発された方法です。

以上が上顎臼歯部の骨が少ない場合の骨の再生の基本的な方法です。

サイナスリフトで骨を作り、長期使用するケースの成功率は90パーセント程度です。もちろん、まったく骨がないケースでは、まずサイナスリフトである程度骨をつけてから治療せざるを得ません。