1日で完了するインプラント治療3

それ以前に、ルンド大学のエリクソン教授が3つの論文を出しています。

猿や犬で実験したように、人間にもインプラント体と同時にアバットメントも入れてみて、差があるかどうか実験しました。今まで通りインプラント体を埋入後4ヶ月おいてから手術をしてアバットメントを入れる方法と、最初からアバットメントを同時に入れる方法ではその後の成否に差がありません。

4ヶ月経って上部構造をつけたところ、どちらのケースもまったく差がありませんでした。
そこで4ヶ月おかないで、インプラント体を埋入してから1ヶ月から3ヶ月の間に上部構造を乗せてみたところ、これも差がありません。いきなり乗せても差がみられませんでした。

この研究は、総義歯の患者さんのおとがい孔の部分を使って行っています。これによっておとがい孔間ならば即日治療できることがわかりました。先のシュニットマン教授は奥歯で実験をしていましたが、エリクソン教授の実験によりおとがい孔のほうに3本埋入したら絶対うまくいくのではないかということがわかりました。

これが1999年のブローネマルク博士の新しい開発につながっていきます。
咬合圧とインプラント体の本数にヒントを与えた論文は、ゴー・ランガー教授の力学ベクトルの論文で、3本で可能であることを示唆しています。

このようにインプラント治療は、多くの研究者の理論を組み合わせて実験しています。