手術前後で患者が気をつけることはありますか?

インプラント治療で入院の必要はありません。日帰り手術で、術後に軽いデスクワークなどをすることも十分可能です。ただ、埋入本数が多い場合や骨の移植などを伴う場合は激しい運動や長時間の仕事などは避けて、静かに過ごすことをおすすめします。手術では出血を伴いますから、出血の妨げになるようなお風呂などは控えましょう。

術前には体調管理などを心がけてください。短時間で簡単にできる手術とはいえ、出血を伴いますし、感染の危険もあります。歯科医院ではもちろん滅菌対策を施していますが、ご本人の口腔内の衛生管理も重要です。

手術をスムーズに的確に進めるためには、まず事前に口腔内の衛生状態を整える必要があります。むし歯や歯周病などの治療をすませておきましょう。
アルコールやタバコは術後の治癒に悪影響を及ぼします。毎日お酒を飲まないこと、禁煙することも大切な条件です。特にタバコはニコチンに血管収縮作用があるため血流が阻害されますし、唾液の分泌も悪くなるので傷口の回復が遅れてしまいます。
インプラント治療を受けると決めたら、術前に禁煙して血液の状態を良くし、その後は一生禁煙するくらいの気持ちでいた方がいいでしょう。

通常は術後に仮歯を入れるので、その日のうちから食事はできます。ただし、手術した当日はなるべく軟らかいものを、反対側の歯でかむようにした方が感染のリスクも低くなります。患部に刺激を与えないように、熱いものや刺激物も避けてください。

しかし最近では、当日から硬いものもバリバリ噛めるインプラントが出てきました。専門用語では即時荷重(即時負荷)インプラントというもので、インプラント体を埋入して48時間以内に仮歯、または人工歯が入れられるという方法です。このインプラントが可能なケースは、あごの骨の量が多くしっかりしているなどいくつかの条件を満たす必要があります。