前回までのブログで、インプラントが出来ない原因として
1、手術上での理由
・恐怖で口を空けることが出来ない。
・歯科恐怖症の方
・嘔吐反射の強い方
・パニック障害の方
2、解剖学的な理由
・骨が少なすぎる
・骨の質が良くない
についてご紹介させて頂きましたので、今回は
3、全身的な理由
・重度の糖尿病
・心臓疾患がある
・血液疾患がある
・重度の骨粗鬆症である
について解説させて頂きます。
前回まででお話しいたしました上記1、2、については、歯科医師側の技術によりカバーできるものでしたが、今回ご紹介させて頂く3、については、歯科医師の技術が高くても、インプラント治療を行なえない場合が多くあります。
そもそも、インプラントというのは”外科手術”ですので
糖尿病、肝炎、心臓疾患、ぜんそく、高血圧などといった、手術に危険が伴うと判断される場合はインプラントを行なえない場合があります。
●例えば、糖尿病の方のインプラントの場合・・・
糖尿病は、進行してくると、体の免疫機能を低下させてしまいます。
糖尿病になると傷が治りにくくなってしうのも、この免疫力の低下が関係しているのです。
このような、免疫力が下がってしまった人へインプラント治療を行った場合、細菌感染に対する抵抗力も低下しているため、手術のリスクも上がってしまいます。
また、手術後もインプラント周囲炎を発症し、脱落を招くリスクが高いので、糖尿病の方へのインプラント治療は、極力控えた方が宜しいかと思います。
ただし、全ての糖尿病患者様がインプラントが禁忌ということではありません。
血糖値のコントロールがうまくできていれば、インプラント治療も十分可能になります。
目安としては
1. 空腹時血糖値が150以下(状況により200以下)
2. HbA1-cが7%以下(状態により8%以下)
3. 尿ケトン体(-)
4. 重篤な合併症がない
と言った状態であれば、インプラント治療は可能であると思います。
ただし、あくまで目安ですので、必ず内科主治医に、インプラント治療が可能かどうかの相談をするようにしてください。
また、インスリン注射や血糖降下剤を服用されている方は周囲が必要です。
何故なら、インプラント治療後に腫れがあったり、食事制限等で食事が十分取れなかった場合、いつも通りに決まった時間に血糖降下剤の服用やインスリン注射を行ってしましますと、血糖値が下がりすぎてしまい低血糖症となってしまうからです。
その為、 手術当日のインシュリン注射や薬の服用、食事制限の有無について、事前に担当歯科医師、担当内科医に確認することが必要です。
糖尿病という理由で今までインプラントをあきらめていた方、
ご自身がインプラント治療可能かどうか、まずはお気軽にご相談ください。