インプラントの手術では痛みを感じなくする局部麻酔を使用します。そして緊張感や恐怖心を感じやすく精神的負担が大きい方には静脈内鎮静法という麻酔を採用します。クリニックによっては鼻マスクで笑気ガスを吸わせて気分を楽にする「笑気吸入鎮静法」を使用するところもあります。
どのクリニックでも麻酔には細心の注意を払っており、局部麻酔は担当医が、その他の静脈内鎮静法などは専門の麻酔医が呼吸や循環器系をしっかり管理して行います。脳波を調べる機械(BISモニター)や、コンピューター制御で薬の量を調整する自動点滴麻酔注入器(TCI)などを導入している医院もあります。
口のなかの手術ですから、患者さんの肉体的、精神的負担は十分考慮されます。インプラント治療が始まってすでに半世紀近くが過ぎている今、手術自体の安全面には高い評価がなされています。あごの骨について精密な検査が行われるようになり、CTによって3次元的に骨の状態を把握することも可能です。これらの検査結果から正確な診断と綿密な治療計画が立てられます。また、コンピューターによって手術のシミュレーションもできるため、手術の精度はより高くなりました。
また特に衛生面でのシステムもしっかり整えられています。麻酔の管理はもちろんですが、院内感染、術後の感染にも配慮します。院内は完全な滅菌対策が施されていますが、もっとも大事なのは術後の患者さん自身の衛生管理です。感染防止の投薬予防、食後と就寝前の消毒、丁寧なブラッシングなどと定期検診がインプラントの寿命に大きく影響します。