アゴの内部の血管や神経を傷つけないためのCT撮影

インプラント治療はどんな歯科医でも簡単にでき、これっぽっちの危険もない夢の治療法だというつもりは全くありません。しかるべき技術や知識、
治療設備が備わってこそ、安全であり安心であることを、皆さんにわかっていただきたいと思います。

安全な治療を実現するためには、設備の充実が欠かせません。
重要視すべき設備とは、何を置いてもCT撮影のためのCTスキャナー(X線コンピュータ断層撮影装置)です。

例えば、ヒトの下アゴの内部には、下顎管(かがくかん)と呼ばれる管が通っています。

アゴの両サイドに左右対称に通っているこの管の中には神経や動脈や静脈が通っています。この管を万一誤って傷つけたらどうなるか。
マヒを残してしまったり、大出血をしたりします。
歯科医は、この管を傷つけないように慎重に手術を行います。

この下顎管を確実に避けるための方法は1つ。CT撮影で患者さんのアゴを撮影し、その位置を確認するしか方法はありません。

むろん歯科医もプロですから、CT撮影をしなくても下顎管の位置は、おおよそ見当がつきます。ただそれですと、インプラントを埋め込む際、下顎管を傷つけないよう気をつけるあまり、安全策をとって浅くしか埋め込めなくなります。

CT撮影で下顎管の位置をしっかり認識できれば、下顎管を避けつつ、インプラントを最適最良の位置と深さで埋め込むことができるというわけです。