骨がなければ骨を作って治療する2

骨がないために、インプラント体を埋入することができない下顎の臼歯部の場合も、3種類の方法があります。

この部分には、おとがい孔の奥に下顎管があり下顎神経や動脈が通っていて、おとがい孔から外に出ています。もしドリリングやインプラント体の埋入によって、下顎管を傷つけてしまったら感覚麻痺が起こります。

そこで、「下顎神経移動術」といって、インプラントの埋入前に下顎管の神経などを移動させておいて、最後に元に戻す方法が実施されています。

このほか、GBRで作るボーングラフトやディストラクションを実施する方法もあります。前歯が健康で臼歯部のみ骨が吸収されている場合は、この3つの中から最適な方法を選んで実施します。

下顎の前歯のみ歯芽があり、左右の臼歯部(奥歯)の両方に歯芽がない場合には、戦略的に残っている下顎の前歯を抜いて、両側のおとがい間に6本から3本のインプラント体を埋入し、上部構造の歯を装填することで対応するケースもあります。

患者さんの状態によってどの方法が最適かを判断することで、負担が少なく最適な治療が可能となります。