骨がほとんど吸収されてしまっている場合には、インプラント体を埋入することは不可能なので、骨を再生しなければなりません。インプラント体を埋入するには、骨の高さと厚みの両方が必要です。
具体的にどのように実施するか、3通りについて説明しましょう。
・メンブレンで骨を作る方法
・ボーングラフトで骨を作る方法(骨移植)
・ディストラクションといって、骨を動かして、仮骨延長術で骨を作る方法
メンブレンというのは人工の膜のことで、これを用いた骨の再生法は1988年に開発されています。インプラント体を埋入するためには、骨の高さが不足している場合に実施するのはこの方法です。
骨を増やしたい部分に、下顎や腰から取った自分の骨を小さく砕き、歯骨補填剤を混ぜておき、その上をメンブレンで覆います。
メンブレンで覆われた部分には、歯肉などの軟らかい組織が混入しなくなり、骨の再生が促進されます。
メンブレンには生体に吸収されるものとされないものがあり、吸収されない場合は骨ができた時点で取り出さなければなりません。
骨の再生は個人差がありますが、5ヶ月から6ヶ月でインプラント埋入可能なところまで骨が再生されることが確認されています。GTRと同じ原理です。