状況に応じた、その他のインプラント治療法③

【即時荷重インプラント治療】
インプラントを埋め込むのと同時に、その日に歯までかぶせてしまう方法です。歯が入るばかりでなく、その日のうちに噛むことができるようになります。

オールオンフォーの技術が、この即時荷重インプラント治療にあたります。オールオンフォーは、総入れ歯の患者さんにインプラントを4本埋め込み、ただちに人工の歯を12本入れる方法だと説明しました。しかしもちろん、単独の歯にもこの方法は採用できるのです。

ただし、骨の質があまり良くない状態の方には向いていません。たとえば、骨がすごく柔らかいとか、骨の量が少ない場合などです。アゴの骨の状態によって判断することになるでしょう。
患者さんの骨の状態を的確に判断できる歯科医であれば、即時荷重インプラントを推奨するはずです。

【磁石を使ったインプラント】
インプラントを埋め込んだ後、そのインプラントに磁石を取り付け、入れ歯の側にも磁石を付けることで固定する方法です。この治療方法も、メリットからあげてみましょう。
・手術が簡単(埋め込むインプラントの本数が少なくて済むため)
・費用が安い(インプラントの本数が少ないため)
・治療期間が短い。かぶせ物(上部構造)を入れる治療が必要ないため、治療期間が短縮できる。
・手術の負担が少ない。
・通常の入れ歯に比べ、噛む力はかなり強くなる。
・通常の入れ歯よりもコンパクトにできるので、装着の違和感が少なくなる。

しかしながらデメリットも否めません。
・入れ歯そのものの煩わしさから解放されるわけではない。よって、入れ歯自体に精神的や機能的な嫌悪感を持っている人には向かない。
・噛む力はたしかに高いが、通常のインプラントほどの間に力は発揮できない。

この2点のデメリットを、患者さん本人が問題視しないのであれば、非常によい方法だと言えます。費用の軽減と、手術の負担を軽減できる点は、とても魅力的です。

治療の具体的な流れについても説明しておきましょう。
【磁石を使ったインプラントの治療手順】
1.通常のインプラントをアゴの骨に埋め込む。
2.インプラントと骨が結合したら、インプラントに磁石を取り付ける。
3.入れ歯にも磁石を取り付けておく。
4.インプラント側の磁石と、入れ歯側の磁石が強固にくっつくことで、安定感にすぐれ、ビクともしない入れ歯ができる。