設備やアフターケアの充実した歯科医院選びが失敗を防ぎます。

骨とくっついて、かぶせ物(上部構造)も入れたが、後からインプラントがぐらぐらになったという事例をみていきましょう。
インプラントがしっかりと骨とくっつき、かぶせ物も入れたけれど、後からぐらぐらになるケースです。せっかく全てが順調に運んだのに、こうなっては元も子もありません。

なぜそんなことが起きるのでしょうか。ほとんどが歯周病によるものです。
対処法としては、メンテナンスを適切に行うことです。歯科医側の配慮が非常に重要です。

次に手術中に神経や血管を傷つけてしまった場合です。日本中、あるいは世界中でインプラントの訴訟が実際にありますが、そういったときは、大抵このトラブルが起きたときのようです。

インプラントそのものを埋め込むのはアゴの骨だとはいえ、その近くには必ずといっていいほど、神経や血管が走っているものです。

誤ってそれらを損傷してしまうことは、絶対に避けなければなりませんし、また避けられることです。治療にあたった歯科医の経験不足や技術不足、レントゲンの読影ミス、そして、もっとも重要なCT撮影をしていないことなどです。

しかるべき知識と技術を持った歯科医からすれば、このような失敗は考えられません。
読者の方々も、こんな話をすると身ぶるいをして、「やっぱりインプラントは怖い」と二の足を踏んでしまうでしょう。ですが、このような失敗は極めて確率が低く、CT撮影をしていれば、まず防げるものなのです。

骨とくっついてくれない原因とその対処法2

インプラント治療も、医療という側面上、100%失敗がないと言い切ることはできません。
いくつか考えられる失敗例をみてきましたが、引き続きインプラントが骨とくっついてくれない原因をみていきましょう。

骨とくっついてくれない原因のひとつとして患者さんが糖尿病をお持ちでったり、ヘビースモーカーであったりする場合に起こりうるケースです。
そのような方々に対して、適切な措置や対処を考えない医師側の人為的ミスが、失敗を生みます。

そもそも糖尿病やヘビースモーカーの方は、通例よりもインプラントの密着する確率が下がる傾向にあります。
その対処方法としてはHAインプラントを使う方法が考えられます。

糖尿病の方は、ヘモグロビンA1c(糖尿病のコントロールの指標。5.8以下が健常とされています。)の値が7を切るまで十分にコントロールすることが望ましく、場合によっては、手術をしないという勇気ある撤退も必要です。

あくまでもケースバイケースですが、どんな決断をするにせよ、歯科医の強い意志と確な判断が要求されます。

また約1%弱の確率ですが、糖尿病やヘビースモーカーでなくても、インプラントと骨がうまくくっつかないこともあります。
この場合、原因は不明ですが、再手術すればほとんどの場合、うまくくっついてくれます。

骨とくっついてくれない原因とその対処法1

インプラントを埋め込むことはできたが、骨とくっつかなかった場合をみていきます。
せっかくインプラントを埋め込んだものの、骨とくっつかなかったとしたら、
歯科医にとっても患者さんにとっても、とても残念な結果としかいいようがありません。そうなってしまう原因もまたいくつかあります。

第1の原因は、ドリルの熱によるものです。インプラントを埋め込むための穴をアゴの骨に開ける際、ドリルの回転数が高すぎて熱を発し、骨細胞が死んでしまうことがあるのです。実は、骨細胞はかなり熱に弱く、42℃程度で死んでしまいます。

そうならない対処法は、骨を削る際に十分に注水して、冷やしながら行うことです。
このミスについては歯科医の初歩的な技術不足といえます。

第2の原因は、患者さんの骨密度が低すぎて、骨細胞がインプラントをしっかり取り囲んでくれなかった場合です。この対処法は、骨をコンデンス(濃縮)して骨の密度を上げたり、HAインプラントを使うことです。

HAインプラントというのは、通常のインプラントがチタン100%でできているのに対し、
材質は同じチタンでも表面に特殊なコーティングが施されており、骨とインプラントが密着するまでの時間も通常のインプラントよりも短くてすむ特性もあります。

骨の状態がよくなくてもしっかり固定する方法があります

骨の状態がよくなくてもしっかり固定する方法があります

インプラント治療の患者さんの中には「本当に大丈夫なんでしょうか?」
と不安に顔を曇らせる方も実際にいます。無理もありません。

この時点では、皆さんインプラントに関する正しい知識を持っていないのですから。
例えば骨の状態に自信がない患者さんの場合は、本当にインプラント治療が適用できるのか不安に思っている人も多いでしょう。

ソケットリフト、サイナスリフトと呼ばれる上顎洞(じょうがくどう:
上アゴの上の鼻の奥にある空洞部分。人は誰でもここに空洞があります。)を持ち上げて骨を増やす方法もあります。

ソケットリフトは比較的簡単な手術法ですが、骨の量が極端に少ない場合は適用されません。その場合はサイナスリフトが選択肢となります。

ただ、サイナスリフトは手術が少々大がかりになり、患者さんの肉体的、金銭的負担も増すため、なるべく避けるようにしていますが、骨の量が極端に少ないときは有効な手術法です。

いずれにしても、手術のときインプラントを埋め込むことができなかった場合は、
医師の技術不足が原因である場合が多いと考えられます。患者さんの骨の状況がそれぞれ違うのは当然のことですから、こういった失敗を回避するためにも、手術前のCT撮影が必要なのです。

CT撮影した画像データをふまえて、綿密な手術計画を立てさえすれば、必ず防げる失敗だといえるでしょう。

ブリッジは健康な永久歯を削らなければ固定できません

ブリッジは健康な永久歯を削らなければ固定できません

ブリッジというのは、失った歯の両サイドを削り、文字通り橋渡しとなる
ブリッジ(人工歯冠)をかぶせて固定する治療法です。

たとえば1本の歯を失ってしまった場合、両サイドの2本の歯を削って、ブリッジをつくります。
要するに2本で3本分の仕事をさせるわけです。

そうなると当然、支えになる歯の負担は大きくなります。
一般的に約8年で、支えにするために削った歯はダメになってしまいます。

しかも支えるために削る歯というのは、健康な永久歯なのです。
残念ながら、ブリッジのデメリットはまだあります。
削った歯の寿命が尽きれば、その歯を抜き、さらに隣の永久歯を削らざるを得ません。

結果、ブリッジはどんどん長くなってしまいます。
永久歯を削る際、痛みをともなう場合もあります。そのときは神経をとらねばなりません。

神経というのは、わかりやすいように神経といっていますが、正式な名前は歯髄といいます。
歯髄の中には神経と動脈、静脈があります。

つまり、歯髄がないということは、動脈が通っていない状態ですから、歯に栄養がいかず、木でいうと枯れ木のようになり、強度が落ちてしまうのです。

さらに、血が通ってないため、白血球(リンパ球)がおらず、免疫機能がなくなり、
感染に弱くなります。

入歯は噛む力がでません

インプラントが入れ歯やブリッジと決定的に違う点をお教えしましょう。

インプラントが圧倒的に優れているのは、人工歯根のある点です。
入れ歯やブリッジには、歯根に相当する部分がありません。そのため使用寿命が
インプラントに比べ、ぐっと短くなってしまいます。

入れ歯はバネを使って両隣の歯に支えられるようにして固定する構造になって
います。そのため、バネをかけられた健康な歯に負担がかかってしまいます。

数年もたてば、ぐらぐらになってダメになってしまうケースがよく見られます。
また、かたい食べ物を十分な力で噛むことができません。入れ歯の噛む力は
天然の歯の5分の1程度しかありません。

食べ物のカスも溜まりやすく発音しづらくなることもあります。
何よりも入れ歯を入れるという行為自体、精神的な抵抗をともないます。

もちろん入れ歯にもメリットはあります。
治療の簡便さと、取り外しができるために衛生管理がしやすい点です。
しかし、どうしてもデメリットばかりが目立ってしまう治療法だといえます。

それでもインプラントそのものの安全性に、不安をおぼえる人がいるかもしれません。
大丈夫です。インプラント治療の実績がある歯科医院であれば、手術中に血圧や
脈拍、血中酸素濃度、脈波といったバイタルサインをきちんと測定しているはずです。
常に患者さんの調子に気を配っていますので、どうぞ安心してください。

3つの方法で痛みとは無縁になります

インプラント治療には手術が必要で、しかもドリルで骨に穴を開けて
チタン製の人工歯根を埋め込む、なんて聞くと、初めて治療内容を知った方は、
ギョっとするかもしれません。

痛みを気にする方に鎮痛方法を紹介しておきましょう。

1つ目は「静脈内鎮痛法」です。麻酔の専門医が腕の静脈から鎮痛薬を注入します。
患者さんはすぐに眠くなって、手術中のことは覚えていない状態になります。
目が覚めたら、あっという間に手術が終わっているような感覚です。
手術中にいびきをかく方もいるほどです。この方法でしたら、恐怖心を
感じることも、痛みを感じることもありません。

2つ目は「鎮痛薬の内服」です。セルシンやデパスといった薬を飲んで
いただきます。これらはマイナートランキライザーと呼ばれる比較的、
程度の軽い精神安定剤です。服用後、30分もすれば、すっと眠くなります。

静脈内鎮静法よりも簡便ですが、内服薬ですので、患者さんごとに効きやすさ
、効きにくさがあり、若干コントロールが難しいところがあります。

最後の3つ目が「ノーベルガイド」と呼ばれる画期的な方法です。
手術の痛みの原因は骨を削ることではなく(骨には神経がないため)、
歯茎を切ってめくることにあります。歯茎を切ってめくらなくてよければ、
痛みはありません。

高い麻酔技術によって、痛みを確実に遠ざけます

インプラントを埋め込むためには骨に穴を開けるわけですから、
さぞかし痛いと思われるでしょう。ところが、皆さんご存知ないかもしれませんが、骨には神経がないのです。

痛みを感じる神経そのものがないのですから、骨から痛みが生じることはありません。
痛いとすれば、骨を露出するために歯茎を切開するときが考えられますが、このときも痛みを感じさせません。

何故なら麻酔をするからです。麻酔が効けば痛いわけがありません。
では、麻酔をするとき、麻酔そのものが痛いのではないかと思われる
かもしれませんが、それも心配しなく大丈夫です。痛みがなく麻酔できる技術があります。

ただ実際の現場では、一般的な麻酔が効きにくい方が約1%おられます。
そういう方の場合は、より丁寧な麻酔をすることで対処することができます。

手術後に麻酔が切れると、確かに多少は痛みます。
しかし、その点も安心してください。そのときは痛み止めを処方致します。
しっかり効きますので、痛くありません。

それでもなお痛みを気にする方のためには、さらに別の鎮痛方法があります。
痛みというのは、あくまでも個人の感覚で、他人とは共有できないものです。
痛みに強い人もいれば、弱い人もいます。

そこまで配慮し、考慮した上で、より効果的な鎮痛方法を適用します。

他の医院でインプラントを断られたい人へ ~喫煙の問題~

前回までのブログで、インプラントが出来ない原因として

1、手術上での理由
2、解剖学的な理由
3、全身的な理由
4、自己管理の問題

についてご紹介させて頂きましたので、今回は

5、喫煙
・ヘビースモーカーでタバコを止められない。

について解説させて頂きます。

喫煙は、全身の健康に多くの悪影響を与えるという事は皆さんご存知のことと思いますが、実はインプラント治療においても同様のことが言えます。

実際に、タバコを吸う人は、吸わない人に比べてインプラントの失敗率が高いという研究結果も出ており、喫煙者の失敗率は非喫煙者に比べて、約3.7倍高いと言われております。

また、下顎にインプラントを埋入する場合よりも上顎に埋入する場合の方が喫煙による失敗リスクが高い傾向が見られておりますので注意が必要です。

では、なぜタバコがインプラントにこれほどまでの悪影響を及ぼしているのでしょうか?

以下、その原因をご紹介していきます。

●インプラントが顎の骨と結合しない
タバコに含まれているニコチンは、歯肉の血流を悪くしますし、一酸化酸素は、インプラントを支える歯肉に酸素や栄養を運ぶのを妨げます。
そうなると、骨とインプラントが結合しにくくなってしまいます。

●インプラント歯周炎の感染リスクが高くなる
タバコは白血球の機能を低下させる作用があります。
その結果、細菌に対するインプラントを支える歯肉歯肉の免疫力が低下するため、細菌に感染しやすくなり、インプラント歯周炎を発症させてしまいます。

●手術の傷が治りにくい
タバコに含まれているニコチンは、歯肉の血行を悪くして傷の治りを悪くします。
そのため、手術の傷が治りにくく、化膿してしまう可能性もあります。

もし現在タバコを吸っていらっしゃる方でインプラント治療をご希望されている方、インプラント治療を行うのは、禁煙をすることが前提だと思ってください。

当院ではインプラント治療に関するさまざまなご質問を受け付けております。
ご不明、ご不安な事がある方は是非お気軽にご相談ください。

他の医院でインプラントをインプラントを断られた人へ ~自己管理の問題~

前回までのブログで、インプラントが出来ない原因として

1、手術上での理由
2、解剖学的な理由
3、全身的な理由

についてご紹介させて頂きましたので、今回は

4、自己管理の問題
・歯ブラシがしっかりできない

について解説させて頂きます。

以前のブログで、30歳以上の方が歯を失う原因として一番多いのが歯周病であるとご紹介させて頂きましたが、実は、歯周病で歯を失った場合には、インプラント治療が出来ない場合もございます。

それが、上記で挙げさせて頂いた”自己管理の問題”によるものです。

インプラントは基本的にチタンとセラミックで作られている人工物ですので、天然の歯のように虫歯になることはありません。

しかし、インプラントを埋入している骨やその周囲にある歯茎は天然のものですので、日頃のケアやメインテナンスを怠っていると、インプラントを埋入した骨や歯茎の部分も歯周病と同じ症状を発症するしてしまいます。

それが”インプラント歯周炎”と呼ばれるもので、最終的にはせっかく入れたインプラントを撤去しなければいけなくなってしまいます。

歯を失ってしまったそもそもの原因が、重度の歯周病によるものだった場合で、かつその歯周病になった要因に自己管理の問題があった場合は、その”問題”を解決せずにインプラントを埋入してしまうと、インプラント歯周炎を発症してしまいインプラントが抜け落ちてしまう事になりかねません。

ですので、当院ではそのような場合、必ずその問題を解決してインプラントを埋入します。

中には、歯周病であろうがインプラントを埋入し、またインプラントも打ちっぱなしでメンテナンスはしない。という歯科医院もあるようです。

医院選びの際は、治療後のアフターケアもしっかりと行ってくれる医院を選ぶようにしましょう。

当院では、インプラント治療を行った歯科医師自身が、手術後のメンテナンスまでしっかりと責任を持てケアしております。