インプラントメーカーについて3

インプラントが細くて短い場合、骨と接する部分の表面積が少なく、咬む力によって骨に加わる単位面積あたりの力が大きくなりすぎます。
平底の靴で踏まれるより、ハイヒールの踵(かかと)で足を踏まれたほうが圧力が大きく、痛いのと同じです。

これによって、微少骨折を起こしかけた骨が悲鳴をあげ、痛みが生じるのです。とくに、非常に大きな力が加わる奥歯の部位には、細くて短いインプラントを使うべきではありません。

また、インプラントは、すべての患者さんが同じように骨につくわけではありません。骨密度の低い方や血圧の低いやせ型の方は、インプラントに接する骨が少なく、細くて短いインプラントを埋め込んだのと同じ状況になります。このような方は太さのある長いインプラントを使用すると痛みを防ぐことができます。

通常、インプラントは骨の幅や高さに合わせて、可能な限り太く長いものを選択するのが理想です。ただ、そのためには、手術のときにすぐ使えるように多くのサイズを在庫しておかなければならず、コストがかかります。

そこで、幅の細い骨や、高さのない骨の部位など、どこにでも埋め込める細く短いインプラントを、一つのサイズだけ多量に購入してコストを抑えるということが行われているようです。これが、細く短いインプラントがよく使われる原因です。