骨の研究から発見されたチタンの特性1

インプラントに使用されるチタンは、ゴルフのチタンドライバーやメガネのフレームなど身近なところで使われているおなじみの金属です。

元素番号は22で、元素記号はTi。
地球の地殻の成分としては9番目で、それほど希少という金属ではりありませんが、金紅石などの中に混入していることが多く、単体の金属として発見されるまでには時間がかかりました。

最初はイギリスで1791年に発見されました。ですが、当時は新しい金属だという理解がありませんでした。その後、1795年にドイツ人のマーチン・ハインリヒ・クラブロートとう人が、金紅石の中からチタンを発見し、ギリシャ神話の地球上の最初の子供である「タイタン」にちなんで、チタンと名づけたのです。

チタンは、地表だけでなく、アポロが採取してきた月の石のなかにも、時折降ってくる隕石の中にも含まれています。石炭の中にも確認されているだけでなく、植物にも人体にもごくわずかですが含まれています。

チタンはプラチナとほぼ同等の強い耐食性があり、常温常圧では酸にも塩分にもほとんど反応しないのでサビがつきません。鋼鉄と同じ強さがあるのに、鋼鉄の45%の重さしかありません。軽い金属として知られるアルミニウムと比べても、60%の重さで強度は2倍あり、しかも金属疲労しにくいのです。